うつ病と診断されると、体もつらいし、頭も回らないし、今の自分がどのような状態なのか客観的に判断するのが難しいです。私も、うつ状態がひどかった時期は「この状態が永遠に続くのではないか…」と思ったほどです。今回は、酷いうつ状態から、うつの症状がほとんどない状態までを経験してみて分かった、『うつ度』を客観的に判断するコツをご紹介します。

「うつ病の症状はいつまで続くの?」という不安にかられないために

今の私は、外出や人との会話ができるほどに回復しているので、「ずいぶん回復したな」と実感できるのですが、それも本当に最近になってからのことです。症状が酷い時期はもちろんのこと、食欲が出てきたり、起き上がれるようになったりという回復の兆候があっても、なかなか「回復している」という実感が持てませんでした。

その大きな原因は

  1. 継続して通院・服薬している
  2. 体調や気分の波がある
  3. できないことに目をむけてしまいがち

の3点だと考えています。やはり、毎日服薬しなければいけない、定期的に通院しなければいけないという状況が長く続くと、「本当に治るんだろうか?」という不安に駆られるものです。

そして、2つ目と3つ目がとても重要で、うつ病の症状がいくらか改善されたとしても、うつ病が良くなっていく経過には波があるので、とんでもない不調に見舞われる日もあります。そのため、「回復してきたかな?」と思った矢先に症状がぶり返してしまい、「あれ?また悪化した?」という心理状況になるんですね。

不思議なもので、1週間のうちに2日くらい不調の日があると、「うつ病が良くなっていない…」という気がしてしまいます。

これを病院の先生に話すと、「前は毎日起き上がれない状態だったんだから、そんなことないですよ。それにうつ病じゃない人だって、毎日が体調万全というわけではないんですから。」と諭され、「そのとおりだな…」と納得。

 

だからこそ、「不調で寝込む日」だけでなく、それ以外の体の状態にも目を向けて『うつ度』を客観的に判断していきましょう。

 

日常生活の状態でうつ度を判断

うつ度

私の場合、うつ病と診断された時点でベッドの上から動けないような状態が続いたので、その状態をうつ度MAXの状態としています。

当時の記録はこちら↓

 

図を見ていただいたら分かるように、症状の酷さに着目するのではなく、自分にできる行動範囲が増えることで『うつ度』の段階が下がっていくイメージです。うつ度1~うつ度3だけを見ると、なんだかうつ病っぽくありませんが、これはあくまでも『できること』に着目しているから。

うつ度1~うつ度3の場合も、何もする気が起きなくて1日中家にこもっていたり、頭痛に悩まされたり、お風呂に入らない日があったり、そんなうつっぽい生活があっていいんです。寝てるしかできなかったときに比べて、活動的になっている時間が増えているかどうかが『うつ度』を判断するポイント。

では、それぞれの『うつ度』について見ていきましょう。
※以下の『うつ度』は私の経験に基づくものなので、すべての人に当てはまるわけではありません。ご了承ください。

 

あなたの『うつ度』はどのくらい?

うつ度6:寝床から動くことができない

うつ度1

特徴
  • 起き上がるのも辛く、日常生活が困難。トイレに行くのも苦行。
  • 横になっている時間は多いけれど、うまく眠れない。
  • 食欲がない。食欲があったとしても、食事の準備ができないので食べない。
  • お風呂に入る気力も体の汚さを気にする余裕もない。1週間お風呂に入っていないなんてことはざら。
  • ワードローブはパジャマ。

入院まではいかなくても、起き上がるのすら辛い重症のうつ状態では、普段の何気ない行動すらできません。

エネルギーが極度に不足しているので、顔を洗ったり、着替えたり、お風呂に入ったりという日常生活すら難しい状態。単に「面倒だな…」という生ぬるいものではなく、そもそも自分の体が汚れているとか、臭いが気になるという意識すら頭に浮かばないほどです。

うつ度MAXな状態なので、無理になにかしようとは思わず、ゆっくり休むことが肝心なレベル。

 

うつ度5:たまに寝床から起きだして活動できる

うつ度2

特徴
  • ベッドで横になる時間も多いが、起き上がって家の中をウロウロできる。でも、起き上がったところでできることがないので、居場所はベッドかソファ。
  • 食欲があれば、納豆ご飯や冷奴など手のかからないものを準備して食べられる
  • 体の汚さ、頭のベタツキは気になるけど、お風呂に入れないことの方が多い。
  • あいかわらずワードローブはパジャマ。

うつ度MAXな状態と同じで、起き上がるのが辛い状態ながらも、少しずつ起き上がって過ごすことができている状態。

ただ、うつ病になると本が読めなくなったり、音楽やテレビを楽しめなくなる人もいて、そういう人の場合は起き上がっても、やること(できること)がないので、結局はベッドで横になって過ごしたり、ソファに座ってぼーっとしたりという過ごし方に。

起き上がれる=ある程度エネルギーがある状態

なので、体の汚れや頭のベタつき臭いなどに意識が向き、自覚はあるものの、依然としてお風呂に入る気力が出ないのが悩みどころ。

 

うつ度4:たまに身支度もできる

うつ度3

特徴
  • 横になっていることが多いが、起き上がるときの辛さが減ってくる。
  • 音楽を聴いたりする余裕が生まれてくる。
  • お風呂に入るのはしんどいが、体の汚れ、頭のベタツキが我慢できなくなったらお風呂に入れる。
  • たまに「普段着に着替えて過ごそうかな」という気分のときもある。

横になって過ごすことが多いながらも、起き上がることの辛さはそこまででもない状態。音楽が聞けなかった人も、起き上がる気力が出てくると、リラックス系の音楽を聴く余裕が生まれてきます。

うつ度5~6だと「体をキレイにしたい…」と思っても、洗顔・入浴の気力がないことが多いですが、起き上がることが苦じゃなくなってくると、洗顔や入浴できる頻度が増えてきます。

起きて生活するようになると、自然とパジャマではなく部屋着に着替えて過ごそうかなという気力がわくことも。

 

うつ度3:身支度をしたうえでゴロゴロすごすことができる

うつ度4

特徴
  • 起き上がる辛さはなく、昼間はリビングで過ごすなど生活にメリハリがでてくる。
  • うつ病の波でひどく落ち込むときや、体調が悪いときもある。
  • 毎日は入れなくても2日に1回くらいはお風呂に入れるようになる。
  • 夜はパジャマ、昼間は部屋着など身支度にも少し気を遣えるようになる。
  • 本を読んだり、テレビを楽しむことができるようになってくる。
  • 少しずつ笑うことが増えてくる。

昼間に寝て過ごす時間が減り、起きて過ごす気力がある状態。まだまだ外出したり、家事をしたり、仕事をするというのは難しいながらも、身支度を整える気力はあるので、夜と昼の過ごし方にメリハリを付けることができるようになります。

昼間も起き上がって過ごせるようになると、笑う・本を読む・テレビを観ることもできるようになるので、うつ度4~6に比べ、1日の過ごし方がぐっと人間らしくなります。

 

うつ度2:たまに家事をこなしたり、買い物に行くことができる

うつ度5

特徴
  • うつ病の症状が現れる日もあるが、その度合いが軽くなってくる。
  • 起きている時間が長くなり、少しずつ家事をしたり、趣味を楽しむ時間が増える。
  • 自分で買い物に行くなど外出できる日もでてくる。
  • うつ病を克服するための食事療法や運動などにも興味が出てくる。
  • できることが増える分、できなかった日に自分を責めてしまいがち。
  • 家族など親しい人との会話に楽しみを感じることができる。

ほとんど起きて過ごすことができ、体調や気分が良ければ家事などをして過ごすことができる状態。うつ病の症状が現れる日があっても、うつ度6のように1日中起き上がれないほどの辛さではありません。

日常生活以外にも、趣味や自分の健康を気遣うエネルギーもあり、生活するうえで必要な外出に関しては苦を感じないレベル。ただし、まだ外出を楽しむというレベルではありません。

家事や仕事など、やろうと思えばできることが多いので、体調を崩して何もできない日があると、「うつ病が悪化してしまった?何もできない自分はダメだ…」などと落ち込みやすいこともあるので注意が必要です。

 

うつ度1:軽い運動をしたり、他の人と会話ができる

うつ度6

特徴
  • 日常的に自分の身支度や家事などが行えるようになってくる。
  • 外出への抵抗が減り、自分の意思で出かけたいときに出かけられるようになる。
  • 軽い運動をしたり、食事に気を付けたり、行動を習慣化できるようになってくる。
  • 会社や保育園、幼稚園などで他者とコミュニケーションをとれるようになってくる。
  • 日常生活が送れるようになるため、服薬にたいする抵抗や、治療への焦りを感じることもある。

体調の悪さや、気分の落ち込みを感じる日よりも日常的な生活を送れる日の割合が多く、軽い運動や外出への意欲もある状態。

うつ度5~6を経験した人の場合、うつ病から回復してきたなという実感が持てるレベル。近しい人以外とも、億劫さはあるかもしれませんが、ある程度会話できるようになるので、社会復帰への意欲も出てきます。

ほとんど日常生活に支障がなくなってくるので、減薬への期待感も高まる一方、治療への焦りも感じることがあるので注意が必要。

また、何もできない日が少なくなる分、できなかったときに「自分は怠けているのでは…?」という不安に駆られがち。まだまだうつ病の治療中であることを自覚し、薬を飲むことで良い状態をキープしているのだということを忘れないのが大切です。

 

完璧にできないことを悲観するより「できたこと」を喜ぼう

うつ度1~2だと、かなり自分でできることが増えてきます。こうやって段階を追って見てみると、ものすごく回復していることが分かるのですが、当事者としては「できない」意識が強くなりがちなので注意が必要です。

「料理が2日に1度できるようになった」

という事実も、うつ病になる以前の状態と比べてしまうと、

「前は毎日作れていたのに…品数も1品しか作れなかった…」

という悲観につながってしまいます。これは「完璧」を求めてしまって「できないこと」に目を向けているからなんですよね。

そうではなく、「できたこと」に目を向けて「今日は料理を作れた!」という事実を喜びましょう。どうせ比較するなら、うつ病になる以前より、うつ病のどん底と比較してください。

できることなら、比較なんかせず、今日の自分を受け入れるほうがベターですね。「うつ度が高いから、今はダメダメだ…」なんて思わず、「今は休みが必要な時期なんだな」ととらえ方を変えてみてください。

うつ病は良い状態と悪い状態を繰り返しながら良くなっていくので、うつ度1の日もあれば、いきなりうつ度5まで戻ってしまうこともあります。だからこそ、その日限りの『うつ度』を判断するのではなく、記録することで自分の経過を客観的に判断できるようにすると良いですね。

 

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