普通に笑ってるしうつ病じゃないんじゃない?」なんてことを言う人がいます。きっと悪意はないのでしょうが、これを言われると、うつ病の人はどんどん笑えなくなってしまいます。笑ったほうがいいにも関わらずです。

うつ病だって笑うこともある

うつ病の症状の1つに「笑わなくなる」というものがあります。これは、本当です。うつ病の症状が酷いと、自分の意思に関わらず笑えなくなります。

  • 面白いことで笑う
  • 子どもに微笑みかける
  • 楽しいことを考えてニヤニヤする

そんなことができなくなります。でも、私の場合、作り笑いはできました。仕事をするうえで、「体調が悪い、辛い」というのを表に出したくないというのが大きかったため、意識的に口角をあげ、目元を緩め笑顔を作るのです。

でもその分、仕事が終わって自宅に戻ると、顔の筋肉は力が抜け、瞼は重くなり、とても暗い表情になります。

病院では「うつ病」と診断されていますが、最近ではこれを「仮面うつ病」と言うらしいですね。

 

で、笑っていると「うつ病には見えない」と言われることがあります。

おそらく、「うつ病=暗い表情」という固定観念があるのでしょう。

 

でも、私のように作り笑いをしている人もいますし、うつ病の症状が良くなってくれば自然に笑うことだって増えます。

ここで「笑っているってことはうつ病じゃないんじゃない?」などと言われると本当につらい。

 

「いえ、うつ病です」とはっきり言えればいいのですが、本人も、「笑えるってことは、自分はうつ病じゃないのかな?」なんて考えてしまうんです。結局、現状は「うつ病」と確定できる検査はないので、判断が難しいところなんですよね。

 

病人は病人らしくないとダメ?

うつ病の人が笑っていたら、あなたはどう思いますか?

 

――うつ病って嘘なんじゃない?

――うつ病って言ってるけど、ただ怠けてるだけなんじゃない?

 

これ、かなりグサグサきます。これを読んでいるうつ病の皆さん、気分を暗くさせてたらごめんなさい。

でもこんな風に思ってしまう人も確実にいるんです。

 

こんな風に思ってしまう人には、よく考えてほしい。何の病気でもいいです。病気はあるときを境に急によくなるのでしょうか?

風邪にしろ、骨折にしろ、皮膚炎にしろ、少しずつよくなっていくはずです。

うつ病だって、ある日突然治って、その日から笑えるようになるわけではないのです。

 

うつ病の人が笑っているのを見かけたら、

あ、今日は少し調子がいい日なのかな?

最近笑うことが増えたから、うつ病の症状が良くなってきているのかな?

と考えてください。

 

笑うことで自律神経が整う

うつ病の人が笑うことを責めてしまうと、本人もそのことを意識してしまい笑わないようになることがあります。

これはとても良くないこと。

笑うこと自体がうつ病の薬にもなるからです。

 

(1)脳の働きが活性化
脳の海馬は、新しいことを学習するときに働く器官。笑うとその容量が増えて、記憶力がアップします。また、”笑い”によって脳波のなかでもアルファ波が増えて脳がリラックスするほか、意志や理性をつかさどる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。
(2)血行促進
思いきり笑ったときの呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態。体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなって新陳代謝も活発になります。
(3)自律神経のバランスが整う
自律神経には、体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良の原因となります。通常起きている間は交感神経が優位になっていますが、笑うと副交感神経が優位になるので、交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わることになり、自律神経のバランスが整います。
(4)筋力アップ
笑っているときは心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発となって酸素の消費量も増え、いわば”内臓の体操”の状態。静かに過ごすより笑っているほうが、カロリーの消費量が多くなります。さらに、大笑いするとお腹や頬が痛くなるように、腹筋、横隔膜、肋間筋、顔の表情筋などをよく動かすので、多少ながら筋力を鍛えることにもなります。
(5)幸福感と鎮痛作用
笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌されます。この物質は幸福感をもたらすほか、”ランナーズハイ”の要因ともいわれ、モルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減します。

引用元:“笑い”がもたらす 健康効果 | カラダの豆事典 | サワイ健康推進課

このように、自律神経のバランスが整えられ、幸福感を感じるという、うつ病の症状改善への効果が期待できるんです。

うつ病の症状がひどいときは、作り笑いさえ辛い時期があります。それでも、治療の効果が出てきて、自然に笑える時間が増えてくれば薬の効果だけでなく「笑うこと」でうつ病の症状を改善するための助けになります。

 

笑うことはいいこと

うつ病の人が身近にいるという人も、うつ病治療中の人も、「笑うこと=悪いこと」とは思わないようにしてください。

笑うことはいいこと」です。

 

うつ病の人がいつまでもうつ病らしくいるより、笑いながら話をできるほうが周囲の人も明るい気分になりますよね。

せっかくの回復の兆しです。「うつ病の人は笑わない」と決めつけず、一緒に笑えることを喜びましょう。

 

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