うつ病になるとできないことが多くて、以前の自分はどこにいってしまったんだろう…と強い喪失感に襲われることがありますよね。そんなときに実践してほしい考え方をご紹介します。

うつ病になって私が失ったと感じたもの

頭痛やめまい、抑うつ感、倦怠感が続くと、お風呂に入ることさえ難しくなります。一日の終わりに、「今日も一日、何もできなかった…」と落ち込む日々。ベッドで寝ていただけと言えば、健康な人からは羨ましいかぎりかもしれませんが、音楽も聞けない、本も読めない、テレビも見れない、動くことはもっと無理…となると、時間が過ぎるのも遅く感じます。

そんなときほど頭のなかに嫌な考えばかり浮かび、以前の自分に戻りたいと強く願ってしまうもので、私もうつ病の症状が酷いときは、自分が失ったものばかり数えていました。

  • 仕事やキャリア
  • 子どもとの時間
  • 清潔感
  • 交友関係
  • 意欲

数えればきりがありません。「失ってしまったものはしょうがない、前を向こう!」と言う人もいるでしょう。でも、うつ病真っ只中の人にとってその言葉は呪いのようなものです。

抑うつ感が強いと前向きに考えるということ自体が難しいく、「前を向こう」という漠然とした言葉だけでは前向きに考えるのが難しいため、さらにそんな自分自身を責めてしまいます。

 

「失った」を「手放した」に変えてみる

ある程度症状が良くなってきたころ、うつ病の症状が酷かった時期のことをふと振り返ってしまい、とてつもない喪失感に襲われたことがあります。せっかく症状がよくなったというのに、そういったことを考えてしまうと、考えても仕方がないことの渦にとりこまれるのです。

そんなとき、失った」ではなく「手放した」と考えるようにしてみたんです。なんでそんなことをしようと思ったのかは全然覚えていませんが、そのころから少し心が軽くなり、あまりクヨクヨ悩まなくなりました。

 

失ったと考えると、そうなった原因が自分にあるという考えに繋がりやすくなります。

  • あんなに頑張っていた仕事ができなくなってしまった(仕事を失った)…それもこれもうつ病になったからだ…
  • 子どもの一番かわいい時期を見逃してしまった(子どもとの時間を失った)…それもうつ病で寝込んでいたからだ…
  • 以前はあんなに意欲的で時間さえあれば勉強していたのに(意欲を失った)…今は本さえも全く読んでいない…

この後にも続けようと思えば、マイナスの考えはいくらでも繋げられそうですよね。この文章を書いている今の私はうつ病の症状がほとんど無い状態ですが、それでもマイナスの考えがどんどん思い浮かぶくらいですから、もっと症状の酷い時期なら延々と考えられたと思います。

 

では、これを「手放した」に書き換えてみましょう。

  • 仕事は治療に専念するために自分で手放したんだ。それによって今の私は満員電車からも解放されたし、朝もゆっくり寝ていられる。
  • うつ病の時期に無理をして子どもとの時間を作っても虐待に繋がりそうだったからあえて手放したんだ。あのとき無理をしなかったから今子どもと笑いあえる自分がいる。
  • ありあまる意欲はあえて手放したんだ。そうすることで、以前の自分にはなかった生活のゆとりをもつことができた。

不思議ですよね。失ってしまったと思うとデメリットばかりが浮かんでしまいますが、同じ内容を「手放した」で考えようとすると自然とそうした理由や、そうしたことで得られたものにつながります。

 

物事には「得たもの」「失ったもの」、どちらの面もあります。例えば結婚というイベントも、愛する人との幸せを得たという反面、自分ひとりの自由な時間を失ったという面もありますよね。

 

うつ病になったことで失ったものは多いかもしれませんが、そこには得たものや、そうして良かったこともあるもの。それを引き出してくれるのが「手放した」という言葉なんです。

 

生きてる意味があってもなくても生きてていい

失ったものを考えすぎると、最終的には「自分が生きている意味ってなんだろう」という考えに繋がってしまうことがあります。確かに、何もしていない自分には意味を見いだせないかもしれません。

でも、だからといって生きていてはいけないということにはならないのです。うつ病になる前、自分が生きている意味を考えながら生活していたでしょうか?人は生きている意味を常に考えているわけではありません。

むしろうつ病療養中の人のほうが考える時間が存分にあるため、ついついそういった考えを巡らせてしまいがちなのです。

生きている意味が見いだせなくても生きてていいんです。意味もなくただ生活している人なんてたくさんいます。

この世界に自分はいてもいなくてもいい存在なんじゃないか?そんな風に思ってしまうこともたくさんあるでしょう。でも、いてもいなくてもいいなら「いる」ことを選んでください。

 

うつ病は、体の不調はもちろん、こういった絶望感や喪失感、いろんなものとの闘いです。失ってしまったものばかりを考えて辛い…というときは、今回ご紹介したように失ってしまったものを「手放したもの」として文章を作ってみてください。きっと、失ったものの影にある得たもの、そうしたことで得られたものも見えてくるはずです。

 

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