皆さん「世界で最も貧しい大統領」をご存知ですか?すでに退任されていますが、ウルグアイのムヒカ元大統領は大統領でありながら質素な生活をしていることで有名です。このムヒカ元大統領がリオ会議で行ったスピーチが人々に衝撃を与えました。人がお金を稼ぐことに必死になるのは、何のためなのでしょうか?ムヒカ元大統領は本当の貧しさとは何かを私たちに教えてくれています。

消費と発展を求める社会

ムヒカ元大統領が提起したのは、水源危機や環境危機にどう対処するかではなく、今の「社会モデル」が根本的な問題だということです。この社会モデルというのは無限の消費と発展を求める社会のことです。以下がそのことに言及したムヒカ元大統領のスピーチの一部です。

常軌を逸した消費は世界を破壊しており、高価な商品やライフスタイルが人々の人生を破滅させているのです。社会は消費という歯車によって回っており、我々はひたすらに早く、そして大量の消費を求められています。もしも消費がストップするならば経済が麻痺して、そうすれば不況の魔物が我々の前に現れるのです。

常軌を逸した消費を続けるには、商品の寿命を縮めて出来るかぎり多く売る必要があります。つまり、10万時間持つ電球をつくれるのに、1000時間しか持たない電球しか販売できない社会にいるのです。それほど長く持つ電球は、市場社会に良くないのでつくることはできないのです。人々がより働くため、そしてより販売するために「使い捨ての社会」を続ける必要があるのです。

まさに、私たちは働くために消費しているということに気づかされます。誰もが消費することを止めたのなら、世の中のサービスは殆ど不要になり、それを生業(なりわい)としている人は職を失うことになるでしょう。極端に言えば、人は衣食住がそろっていれば生きていけます。でも衣食住とは関係のない職種が多いのは、人が生きる意味を見出すために仕事をし、より豊かな生活をするためにお金を必要としているから。

人間の求める豊かさとは何なのでしょうか。

 

貧しさとは?

「貧乏な人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

ムヒカ元大統領の考えに従うなら、豊かさとは必要最低限のもので満足すること。それが豊かさと言えるでしょう。

しかし、先に述べた通り必要最低限で満足し、消費することを止めると経済は麻痺してしまいます。その仕組みこそが根本の問題なのです。

消費無くして、今の社会構造は成り立たない。だからこそ、どんなに環境問題に取り組んでも、働き方を見直そうとしても、結局のところ上辺だけの対策となってしまい何かが大きく変わるようなことはありません。むしろ、その消費の波は大きな渦のように私たちを取り巻き、抜け出せない複雑なものとなっています。

 

発展とは?

発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

今の社会が発展の結果だとするならば、私たちは幸福を阻害されていないでしょうか?私は阻害されていると感じます。

働くことや、将来のお金を心配し、病気になるほど働き続けることが普通となってしまっているこの世の中は、人の幸福とは別の方向に進んでいるように見えます。

 

本当に必要な仕事なのかという疑問

私がこのムヒカ元大統領のスピーチに出会ったのは、話題になった時期からかなり後のことでした。うつ病から復職してからというもの、頻繁に「働く意味」や、「人の幸せ」について考えるようになっていたからです。

「働く意味」とは、今の私にとってはお金を稼ぐ手段であるということです。以前勤めていた会社の社長に「それではまだまだだ。生活のためだけでなく、その先にある仕事を通してお客様に貢献する精神や、自分の力で社会を変えるくらいを目標にしなくてはいけない。」と言われたことがあります。

しかし、私は思うのです。そこまでして自分がした仕事は生きるために必要なことなのか?と。

 

はっきり言って、私の仕事はなくても生きていけるものを作る仕事です。それでも自分が生きていくためには働いてお金を得る必要があります。きっと東京が災害に見舞われたら、私の仕事など何の役にも立たないのでしょう。

 

それでもこの社会の中で私が働くことも歯車の1つなのです。皆が働き、その稼いだお金を消費することで、収益が生み出され、衣食住を支えるサービスが成り立ようになっています。

お金をたくさん稼いで、一等地に住み、豪華な料理を食べるような人を見て、憧れを抱くような社会モデルが、うつ病になってまで働かなければいけない人を沢山生み出しているのではないでしょうか。

 

必要な分だけ作って、皆が必要な分だけ消費する世の中ならば、こんなにも人の労働時間は必要ではなく、時間の豊かさを得られるのではないかと考えさせられたスピーチでした。

みなさんは、お金がたくさんあれば幸せですか?

 

 

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