何だかモヤモヤする…やる気が起きない…どうにも表現しにくい気持ちを抱えているときに出会ったのが、星野源さんが書いたエッセイ『そして生活はつづく』という本です。どこか、「こうしなければいけない」、「こうあるべき」というものにとらわれてしまう私の心に、はっきりと自分の意思を貫く星野源さんの言葉がしっくりときて、モヤモヤをすっきりさせてくれました。そう、どんなに嫌でも生活は続くんですよね。

星野源さんが書くエッセイの魅力

包み隠さない潔さ

なによりも、普通他の人に知られたくないであろう経験まで、包み隠さずに書いているところが、潔くて読んでいて気持ちがいいです。昔いじめられていた時期があったとか、自分なんかが生きていていいんだろうかと思うときがあるとか、そんなことだけじゃない。

う○ちを漏らした経験とか、変な妄想とか、自宅での奇行(?)とか……「え、俳優さんですよね?」ってちょっと心配になってしまいます。

だって、私もこうしてブログを書いていますが、顔や本名は公開していないですし、基本的に周囲の人にもこのブログって教えていないんです。

星野源さんの場合、顔が知られているというだけでなく、そこへもってきてテレビにも出ているんですよ。

でも、そんな素の生活を潔く書いているからこそ、彼の人となりというか、魅力に引き込まれてしまうんですよね。芸能人という遠い世界の住人ではなく、すぐ隣の家に住んでいるお兄ちゃんって感じで。

 

コインランドリーのブラジャーの話のくだりとか、本当に面白いです。私も学生時代に同じような経験したので、すごく親近感がわきました。同性でもドキドキしてしまうのだから、男性からしたらとてつもない珍事でしょう…

 

あとは、ちょっと抜けているところとか、生活スタイルとか、お腹が弱いところとか、いろいろと主人とそっくりなんですね。でも、考え方はすごく私と似ている。不思議です。星野源さんはいろいろと悩むことあるみたいですが、うちの主人はそんなこと全く考えていない能天気タイプ。

エッセイの中の1つで、星野源さんは「ビシャビシャになる」ことを気にしていることに触れていますが、うちの主人は全く気にしません。むしろ気づいてもいない。少しは気にしてほしいものです。ビシャビシャの詳細が気になる方はぜひ『そして生活はつづく (文春文庫)』を読んでみてください。

 

とにかく、エッセイの中でも触れられていますが、どんな有名な人でも「生活」があるということ。想像しにくいけど、みんな同じなんですよね。他愛のないことで悩んだり、妄想したり。そういう当たり前のことに気づかせてくれる良書です。

 

うつ病の私にとって『生活が嫌い』は良い得て妙

エッセイ『そして生活はつづく (文春文庫)』の中で星野源さんは『生活が嫌い』だったことに気づくというくだりがあります。あとは、生活が苦手という部分も。その中身が、まさにうつ病の私にしっくりきたんですよ。

仕事や育児に没頭することで、現実から目を背けていた。だって、一生懸命仕事や育児に没頭していれば、自分自身という現実に向き合わなくてもいいんですもん。

「生活」の中には自分自身を大切にすることが含まれるんですよね。忙しいから、食事に気を使ってなんかいられない、自分の体調より仕事や子どもが大事、そんな感じです。なんか、がむしゃらに頑張っているときって、何かから目を背けているんですよ。頑張ればなんとかなるって思いで核心にはふれないのが諸悪の根源。

 

私にとって仕事と育児は「これさえがんばっていれば大丈夫でしょ!」と信じ切ってやっていたことですが、そればっかり頑張り過ぎて、いろんなものをないがしろにしていたんだと思います。昔の友人に会いにいくとか、お気に入りの服を大事にするとか、普段身に着けるものを手入れするとか、そういったことは面倒だと切り捨てていた。「いつか会う機会があるでしょ」とか「ダメになったら買い替えればいいや」という思考。共働きで、収入があったことも影響していますね。消費が激しく、めまぐるしい生活だったと思います。

 

エッセイを読んでいて、星野源さんが過労に倒れた時の状況が、私がうつ病になったときとリンクして、「ああ、私ももう一人の自分を置いてきぼりにしていたのかもな」と色んなものがストンと腑に落ちました。親戚付き合いとか、職場での女性としてのキャリアプランとか…はっきり言って考えたくなかった。だから、自分が夢中になれることだけ追及して、ちゃんと向き合わなかったんですよ。結果、自分の健康状態もないがしろにしてしまうというね。

 

私も星野源さんと同じく、昔から自分の体のことを気にしない傾向があります。熱があっても無理したりね。「どうせ風邪でしょ」みたいな感じなんですが、別の病気だったことがあって、熱が40度を超えて下がらなくなってしまい、歩くこともできなくなったことがありました。

大学時代の話なんですが、ちょうど彼氏の家に半同棲していたんで何とか病院に行けたものの、一人だったらどうしてたんだろう…と今にして思うとちょっと怖い出来事。結局、そのまま救急搬送で入院したのですが、めったに怒らない母親にこっぴどく叱られました。ほんと、「自分の体だからどうなったっていいでしょ」みたいな考えだったんですが、シングルマザーでお金に余裕のない母親に高額な入院費を払わせてしまい、本当に申し訳なく思いました。

 

自己分析がすばらしい

いろいろな過去の経験から、『生活することが苦手』と悟った星野源さんが、このままではいけないと思い立ち、普段のなにげない生活に面白みを見出してみよう!ということで書かれたのが『そして生活はつづく』というエッセイ。

 

本当に、何気ない地味なテーマから、よくもこんなに面白みを見つけるな~と感心せざるを得ません。

 

そして、過去の自分を振り返りながら、自己分析が織り交ぜられていてすごく参考になります。「あの時はこういう思いでエッセイ書いてたけど、今は逆にこっちのほうが大事だと思う」とか、そういった心境の変化もしっかりととらえている。だからと言って、過去の自分は否定しないところが星野源さんの素敵なところ。

 

「あの時の自分があったから、殻を破った自分がいる」

 

そういう姿勢を本当に見習いたい。なんだか、うつ病の私の視点で紹介すると、「重い話なの?」と思われるかもしれませんが、全然そんなことないですからね!テレビで見る、星野源さんのキャラクターのまま、コミカルさも交えた、とても読みやすいエッセイです。

私の生活もつづく

どんなに、モヤモヤを抱えていても、嫌なことがあっても生活はつづくんですよね。だから、私も普段の生活に少しでも面白みを探しながら、生きていきたいと思います。というか、いったん仕事から離れてみたことで、何気ない普段の生活の大事さが身に染みる今日この頃。

いったんリセットした生活からスタートです。

 

この記事が気に入ったらフォローしよう!

こちらの記事も人気!